カテゴリ
01. プロローグ 02. 目 次 03. 背景・保存・再生 04. 大火復興 05. 古写真・絵葉書 06. 近況写真 07. 伝統的建造物 08. 景観形成地域 09. 小南武一 10. 工手学校 11. 曽禰・中條 12. 辰野金吾 13. ゆかりの人々 14. 函館市情報 15. エピローグ 16. 後 記 17. 参考資料 18. ご意見 19. 四方雑話 20. 不条理 21. 街の記憶 22.弥生小学校再考 23.弥生小学校を考える タグ
本文(82)
Category19(62) Category20(51) 弥生小学校再考(34) Category21(15) essay bibliophobia(5) You Tube(3) 弥生小学校を考える(2) 著作権について
本ブログの記事・写真等の無断転載、無断コピーなどはお断りします。
これは本ブログの掲載にご協力頂いている方々の著作権を守るためです。 尚、私個人が所有するものについては、私的利用の範囲内に限り許可しますが、 その際はyayoizakaまで御連絡ください。 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
<Category21-003 / 2008.10.28> 函館では街路樹の一つにナナカマドが使われている。 多分いろんな場所に植えられているのだろうが、私には大三坂と常盤坂のものが頭に浮かぶ。 大三坂は弥生坂から数えて東に五本目の坂で、常盤坂は西隣りの坂である。 大三坂は市電通りから始まるが、この坂の上り口にある旧リューリ商会は、現所有者により竣工当時の姿に復元され今でも現役で使われている。 そしてこの建物の向かい側のエビス商会や後ろの旧仁寿生命函館支店を始めとして、この坂にはいくつも歴史的建造物が残っている。 しかしその一方で今年になって解体された建物もあるし、旧亀井勝一郎邸のように、住む人も活用されることもなく、ひっそりと佇む建物もある。 さて、ナナカマドだが、この名前の由来はこの木が非常に硬く燃え難く、七度かまどに入れても燃えきらぬとか、極上の堅炭を得るために七日間かまどで蒸し焼きにするという意味であると諸書に書かれている。 この木は初夏に白い花をつけるが、秋の紅葉と赤い実が殊のほか美しい。 この実は葉がまだ緑のうちから色づき始めるが、冬が始まる頃には葉も実も全体が赤くなってくる。 そして準備を終えた木から落葉が始まるが、紅葉した葉と実とが枝ごとかたまりで石畳に落ちる印象が私にはある。 ナナカマドは冬が訪れ雪に覆われても、その実を全て落とすことはなく枝先に赤い実を残している。 春まで餌の乏しい時期、この木は小鳥たちのために実をつけているのだという話を聞いて温かい気持ちになったことを思い出す。 確かに雪の中で小鳥たちはこの実を啄ばみ、下に落ちた実は鳩が啄ばむ光景を見かける。 私は自然の連鎖に感心しながら、人間はこの自然の営みを忘れてはならないと思う。 古い弥生小学校にもたくさんの種類の木々があり、そこにもたくさんの動物たちとの連鎖があるだろう。 この連鎖の破壊は、自然の営みと共生の絆を断ち切ることになると、人間はこの赤い実に学ばなければならないと思う。 この木はヨーロッパでは神聖な木だと信じられ、墓地に植えたり十字架をつくったりするそうだ。 3つの教会が敷地の角を合わせる坂の木に相応しい気がする。
by yayoizaka
| 2008-10-28 18:22
| 21. 街の記憶
|
ファン申請 |
||