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<Category20-028 / 2008.12.05> 前回に続いて Category20 での投稿である。 「西部地区の歴史的景観を構成する景観形成指定建築物であることや、西・弥生小学校両校の歴史性や伝統文化を継承する、歴史と町並み景観に配慮をした施設として整備をしてまいりたいと考えているところでございます。 こうしたことを踏まえ、今後基本設計で十分に検討してまいりたいと考えております」 「西小学校と弥生小学校の統合校舎の設計にプロポーザル方式を採用できないかというお尋ねでございますが、統合校舎となる弥生小学校の整備につきましては、景観形成指定建築物でありまして、外観のデザインについては復元整備が基本になることや、用途が学校であるため、必要な教室など諸室についても法律でその基本的な方向性が示されておりますことから、工藤議員御提案のプロポーザル方式にはなじまないものと考えております」 「基本設計におきまして学童保育所の併設や地域に開かれた施設とするため検討するなど、統合校舎が地域コミュニティの核となるようにしてまいりたいと考えております」 「今後基本設計を進めていくわけでありますけれども、それを進めるに当たりましても、これらの御要望等も踏まえながら、統合校舎の整備を進めていきたいと、そんなふうに考えております」 「これから実際に進めていく上では、都市景観審議会、こうした審議会にもお諮りをしながら基本設計を進めていくわけでありまして、その中ではまたさまざまな方々から御要望だとか御意見をいただきながらよりよい学校づくりっていうことを目指しながら整備を進めていくことになるだろうというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います」 以上、9月市議会の工藤・竹花両議員の質問に対する教育長の答弁から、基本設計に言及した部分だけを抜粋したものである。 さて、函館市調度課は去る11月11日、「西小学校・弥生小学校統合校新築基本設計」 「湯川小学校校舎耐震診断」 「宇賀の浦中学校校舎耐震診断」 の3件を予備指名し、19日午前10時から入札が行われた。 3件とも予備指名メンバーは同じ26社で、「西小学校・弥生小学校統合校新築基本設計」 の入札参加条件は、1、2級建築士が5人以上いて、うち1級建築士が2人以上いる単体または共同体で、施設規模は鉄筋コンクリート造・地下1階地上3階・延べ面積約4,000㎡、屋内体育館が鉄骨造・平屋・延べ面積約1,000㎡という内容であった。 上の予備指名業者は次の26社である。 URK環境設計研究所、アキラ建築設計事務所、アトリエキュビト、池田設計工房、一級建築士事務所アルパ工房、大武設計事務所、川嶋建築総合研究所、かわしろ建築設計事務所、建築企画山内事務所、建築設計工房ロゴス、小南建築設計事務所、佐藤公郎建築設計事務所、しんぽ建築設計室、澄建築設計事務所、関建築設計事務所、匠建築設計事務所、ティーアンドパルス、ナカ建築設計、二本柳慶一建築研究所、はいや建築設計事務所、ファースト工房、北匠建築設計事務所、堀建築企画設計事務所、三関建築設計事務所、山田総合設計、ヨコヤマ設計事務所 (平成19・20年度建設工事等入札参加資格者のうち、建築関係コンサルタントとして登録している市内の業者全てに当たる) 開札結果 (注記 : 開札 (かいさつ) とは入札箱に投函された入札書を開封する行為のこと) ・ 「西小学校・弥生小学校統合校新築基本設計」 二本柳慶一建築研究所・澄建築設計事務所・はいや建築設計事務所・ヨコヤマ設計事務所・ 関建築設計事務所JV 落札額13,000千円 (税抜き) 参考に他の2件も結果も書き添えておく。 ・ 「湯川小学校校舎耐震診断 (5,790㎡)」 小南建築設計事務所・大武設計事務所JV 落札額8,800千円 (税抜き) ・ 「宇賀の浦中学校校舎耐震診断 (5,785㎡)」 北匠建築設計事務所・佐藤公郎建築設計事務所JV 落札額7,980千円 (税抜き) 以上の情報は函館市調度課HP、ネット、及び北海道建設新聞紙上で公開されているものをまとめて掲載したものである。 (注記 : 実名表示は正確な状況説明のためで、入札に参加したこれらの会社に問題があると言っているのではないことを申し添える) ここで知っておいてもらいたいのは、工事入札情報は函館市調度課HPで見ることができるが、設計関係の入札については掲載が全く行われないと言うことである。 したがって、これらのことに気付かず、教育長の答弁を仮にも信じて、基本設計が始まれば意見を聞いてもらえると思っていると、気が付いた時にはもう基本設計は終わっているということになるのである。 このこと一つを取ってみても、教育長の答弁が如何にその場しのぎのものであるかがお分かりいただけると思う。 次に、基本設計の工期は来年3月末である。 11月19日に落札し、その後契約手続きを済ませ、実際に作業に入るのは早くて11月の最後の週になる。 12月になると基本設計作業と平行して、12月議会資料の作成に追われることになる。 年が明けても残り3ヶ月が設計作業に使えるわけではなく、工事費概算作業 (市教委が住民説明会で提示した金額との辻褄合わせ作業と言い換えることも出来る) などを考えると、せいぜい2月までが設計作業として使える時間ということになる。 まとめると、この基本設計は実質3ヶ月足らずでやらなければならないということになる。 (このようなスケジュールでまともな設計が出来るとは到底思えない。 例え設計者にやる気があっても、住民説明会でみんなが感じた、あの教育長の違和感に満ちた厚顔紳士的恫喝を、今度は発注者側として堂々と設計業者に押し付けるのである。 やる気のある人間を無気力な人間につくり変える、これこそが諦め従順でなければやっていけない 「函館市方式」 というやつである) ここで教育長のプロポーザルコンペについて触れたあの興味深い答弁を思い出していただきたい。 「外観のデザインについては復元整備が基本になることや、用途が学校であるため、必要な教室など諸室についても法律でその基本的な方向性が示されておりますことから、工藤議員御提案のプロポーザル方式にはなじまない」 これはどういうことかと言うと、今あるものを下手なりにコピーするのだから誰でも出来る、文部科学省令の小学校設置基準と建築基準法を満たせば足りるのだからこれも誰でも出来る、......お分かりだろうか、これは市役所建設課でもできるということを教育長自ら言っているのである。 したがって、既にほぼ骨格が市教委と建設課によって出来ている基本設計を、12月議会用資料、住民対策資料、3月に提出する基本設計成果品としてまとめる作業が、上の 「西小学校・弥生小学校統合校新築基本設計」 委託業務の中味と推測できるのである。 今回は私見を押えて、基本設計の進捗状況についてお知らせするに止めたが、上の入札に実際に係わった方からこんな言葉をいただいた。 「良い学校をつくる意識は教育委員会にはあるようには思えません。 残念ですが......。」 住民説明会や9月議会で、教育長が基本設計の中で話をお聞きするとか検討するとかと言ったことの真意とは、所詮この程度のことということが少しはお分かりいただけただろうか。 もう一つ分かったこと、それは函館市の耐震診断費用の相場である。 上の金額を見て思い出して欲しい、弥生小学校のそれが800万円であったことを......。 このことから、函館市の耐震診断は構造解析の難易度が全く関係しないということも分かる。 それはどういうことか、それは、構造的想像力を必要としない、不様な鉄骨補強を唯一耐震補強の方法として市が決めているということである。 この程度のレベルで、弥生小学校の耐震診断性能評価は下されたのである......。
by yayoizaka
| 2008-12-05 08:54
| 20. 不条理
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