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<Category19-010 / 2008.4.30> <前回のつづき> 大学が大手設計事務所や大手建設会社に設計を依頼する時に次のように釘をさすという、「どんなデザインでも好きにやってください。どんな仕上げでも、どんな材料でも、どんなに斬新でも好きにやってください。省エネの新しい試みでも、エコへの取り組みでも、その他あなた達が挑戦してみたい実験的な試みでも、好きにやってください。ただしこれだけはお願いします、女子学生が好むものにしてください」と。 だからチャラチャラした、中国の超高層ビルに見る俗悪な建築見本市のような出来の悪い建築が氾濫するのだ。(勿論、これらと正反対の優れた建築も大学の中には多くあることを申し添える) そのように考えている側にどんなに保存を叫んだところで通じないのは、彼らに残すことに繋がる選択肢など始めから存在しないということ、壊したいのだということを、仲間内だけで保存の意義を叫んで盛り上がる前に考えなければならないのだ。 私はこのブログの存在をこの運動の中心にいた2人にメールし、お互いの情報リンクを乞うた。しかし彼らは自分たちの取り組む保存だけが全てであったようだし、このコラムを書くに当たり改めて彼らの保存活動をネット上で調べてみても、彼らによるホームページもブログも存在しない。一枚の「ピラミッド校舎を壊さないで!」というチラシが私の手元にあるだけだ。 それぞれの保存運動が単発で互いの連鎖もなく、それが保存まで漕ぎ着ければ問題ないが、多くは叫ぶだけ、叫んだ挙句に取り壊されてそれで終わりになっていく。 そしてまた新たに、ゼラニュームの花が咲く時のあの次々に頭を擡(もた)げてくるように、取り壊しが話題に上るたびに新たな保存に向けての取り組みが頭を擡げてくるのである。 しかし、前の活動は新しい活動に連鎖することなく、広くその精神が波及することも継承されることもなく単発で終わりそしてまた始まるのである。 そして、このピラミッド校舎の保存運動のように、保存の中心を張ってマスコミに顔と名前と肩書きを露出した分、中心にいた皮肉にも前川國男を研究テーマとしているこの大学准教授の名前だけがネット上に残り、建築保存ではなく建築保存運動が存在した事実だけが消えることなく虚しくネット上を永遠に彷徨うのである。 別な言い方をするなら、この短慮な保存運動をして、皮肉にも後世に残したのは前川國男に仕えた元所員の名前だけだ。私も名前を残そうと思うなら匿名にしない方がいいかもしれない。 直ぐに保存や文化に対する確たる方針も意思も持たないマスコミを巻き込み、最終見学会を新聞で取り上げさせる。 マスコミも保存運動の“始まり”と“終り”を取り上げるだけで、その過程の中でそこにある本質を深淵まで掘り下げて考えてみようともしない。 私はこの函館での保存活動をマスコミで取り上げてもらうつもりはない。マスコミとは常に一方的で、断片的で、偏向的で、体制的であり、このブログの後記・補遺の中の「弥生小学校の入学式」の記事で触れた通りだからである。 <次回につづく>
by yayoizaka
| 2008-04-30 07:52
| 19. 四方雑話
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