カテゴリ
01. プロローグ 02. 目 次 03. 背景・保存・再生 04. 大火復興 05. 古写真・絵葉書 06. 近況写真 07. 伝統的建造物 08. 景観形成地域 09. 小南武一 10. 工手学校 11. 曽禰・中條 12. 辰野金吾 13. ゆかりの人々 14. 函館市情報 15. エピローグ 16. 後 記 17. 参考資料 18. ご意見 19. 四方雑話 20. 不条理 21. 街の記憶 22.弥生小学校再考 23.弥生小学校を考える タグ
本文(82)
Category19(62) Category20(51) 弥生小学校再考(34) Category21(15) essay bibliophobia(5) You Tube(3) 弥生小学校を考える(2) 著作権について
本ブログの記事・写真等の無断転載、無断コピーなどはお断りします。
これは本ブログの掲載にご協力頂いている方々の著作権を守るためです。 尚、私個人が所有するものについては、私的利用の範囲内に限り許可しますが、 その際はyayoizakaまで御連絡ください。 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
<Category19-030 / 2008.5.30> はじめに一言。 この「続・耐震診断結果を読み解く」をお読みになる方は、先ず前回掲載した「耐震診断結果を読み解く」を一読していただきたい。 前回、「耐震診断結果を読み解く」と題して、函館市が一部の市民に対して行った説明会で提示した「耐震診断結果」に対して、私たちにできる範囲での検討結果を掲載した。 何人もの方から、「構造的にもたないと言われたら、どうしようもないです。」とか、「資料を見せられても、素人には専門的なことは分からないから何も言えません。」とか、「耐震補強では駄目らしいので壊して造り直すしかないようです。」という意見をいただいた。 また、ある建築教授からは「耐震補強では無理で、一部を残して造り直すしかないようです。」とも言われた。 素人であろうと専門家であろうと、これらの言葉の背景には、市が説明した情報が全て正しいとする前提での、意見であり見解であることで共通している。 今回は前回の検討結果に言及して、私の所見を書かせていただく。 先ず「基礎の補強」については、結論に至る根拠が曖昧で、補強の必要はあるにしても、その程度が妥当と判断できる内容ではないことがお分かりいただけたと思う。 「コンクリートの中性化」および「コンクリート強度」については、提示された数字だけを見て、この建物全体の劣化具合を総合的に判断することには、無理があり過ぎることもお分かりいただけたと思う。 また、この2つのうちの前者は、専門の会社に調査を依頼すれば比較的簡単に報告書を作ることができ、後者も、専門の会社に調査を依頼し、認定機関で強度試験を行なった試験結果成績表を添えることで、一応の報告書を作ることができる項目であることを付け加えておく。 しかし、「耐震診断結果」の中で掲げられている、この建物の耐震評価を最も左右する構造耐震指標は、その算出根拠が全く示されていない。 この一番やっかいで難しい「構造耐震指標」をどのように算出したのか、市役所建築課の職員の手に負える代物ではないだろうから、この建物の構造的な特性を分析した上で、耐震診断を行なうことができる、相当に力のある構造設計事務所か、構造部門を持つ大手建設会社に依頼したであろうと推測される。 その結果として、数十頁数百頁の報告書が存在していると考えて間違いないだろう。 もしも、この耐震診断結果報告書の作成を外部に委託せず、市役所内部での不完全な検討だけで、この「構造耐震指標」が決められ、それがこの「最終耐震診断結果」として市議会で説明され、予算化され、さも当然必然である既定事実のごとく市民に示されているとしたら、由々しき問題と言える。 今年度で基本設計を行い、来年度には着工というスケジュールで解体・新築に向けて進んでいる。 しかし、その根拠となる具体的な説明も行なわず、常人が口をはさめないことをいいことに、曖昧模糊な耐震診断結果を解体の御旗のごとくかざし、補強工事は難しいの一言で、このような重要な建物の解体が決定されるなぞ許されるはずがない。 市民はすべての調査資料の公開請求を行い、解体・新築という結論に至るプロセスと、その正当な根拠の説明を求めるべきではないだろうか。 そして市民の手で全てを白紙に戻した上で、改めて議論をしなければならない問題ではないだろうか。 ところで、私にはまだ払拭できない疑問がある。 それは基本設計の予算はネット上で見つけたが、耐震診断調査に関わる記事をネット上で見つけることができないこと、調査費用を予算計上した痕跡がないことである。 それでいて、答申から解体・新築が決定されるまでの時間が極端に短いということである。 次回は「解体へ向けての既定化を読み解く」を掲載予定。
by yayoizaka
| 2008-05-30 05:35
| 19. 四方雑話
|
ファン申請 |
||